現在お店は閉業しているが、当時はミシュラン２つ星を獲得し、予約が絶えなかった京料理の名店「梁山泊」。
日本料理には日本酒、個人的に無類のワイン好きであった橋本憲一は、京料理、ウイスキーには欠かせない「水」をテーマに輿水と対談する事になった。そこから二人の関係は深い付き合いとなっていった。

梁山泊の料理には、井戸水を使う。その梁山泊の井戸水こそが料理には欠かせない。輿水もまた、水はウイスキーづくりに最重要である事を十分に知っている。
輿水が現役退職時に、自分がブレンドしたウイスキーを橋本へプレゼントした。そのウイスキーは、その梁山泊の井戸水にピッタリなブレンドとしてつくった、橋本のためのウイスキーであった。

橋本はどんどんウイスキーの魅力にハマっていく。そして、食中酒としてウイスキーの香り味わいを最後まで楽しめるハイボールを思いつく。
最後まで香り味わいを楽しめるハイボールとは？

ウイスキーを合わせながら日本料理を楽しめる「ウイスキー懐石」。日本酒やワインと合わせたペアリングの料理コースが沢山存在する中、ウイスキーを合わせた日本料理のコースは聞いたことがない。
何故それをつくり出したのか？それは梁山泊の水をイメージして輿水がつくったウイスキーのプレゼントのように、橋本も輿水のためを思い、「ウイスキー懐石」を創造したのがきっかけであった。

輿水が橋本にプレゼントしたウイスキーはどのような香り味わいなのか。
もう1本しかない貴重なウイスキーを思い出を振り返りながら飲んでみる事に。